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- 2024/11/20
サルバドールズ
月刊サルバドールズ #21
小川 椋徹/株式会社2WINS代表取締役 Co−CEO
「ビビんな。自信を持っていけ。」
Profile:
2023年 東京大学工学部機械情報工学科卒業
現在 同大学院情報理工学系研究科知能機械情報学専攻 修士2年
アカデミアでは「スマートシティでの自律走行」と題して協調型自動運転の研究に従事。
2022年2月に2WINSを創業。また同年6月に本郷web3バレーを創設。2023年9月に(一社)学生web3連合を設立。東大松尾研の開講するGCI2023ではデータサイエンスを活かしたBizDevに取組み上位1%の優秀修了生を受賞。認定支援機関の支援担当者として中小企業の事業コンサルティングを2年間経験。補助金申請をサポートするAIプラットフォーム「補助金Express」を2023年11月にリリース。現在は、インフラ・エネルギー・製造業界等を中心に企業と連携したAIソリューション開発に複数取り組んでいる。
Q1:人生において大きな影響を受けた本はありますか?また、よく人にプレゼントする本はありますか?
本を全く読まないんです。人にプレゼントする前にまず自分が読んだ本が思い浮かばないです。でも、読みたい本ならあります。『ベンチャークライアント(著:グレゴール・ギミー)』という本です。知人から話を聞いて、話のあらすじが今後の自分のやりたい事業に似ていると思いました。単純に幼少期から本を読む習慣が無かったですね。東大生は本を読んでいる人が多いと思いますが、僕は漫画を読んでいました。本はまったく読みませんが国語に苦手意識はありません。理系ですがむしろ1番得意な教科は国語です。国語ができる理系で戦ってきました。その国語力を醸造したのは本ではなく漫画だったのかもしれません。好きな漫画は『ワンピース』です。今の会社も『ワンピース』の船団みたいにしたいと考えています。バイブルです。小学校の中学年くらいから読んでいます。
僕が工学系で起業したいと思ったのは小学5年生の春です。その時に「発明家になりたい」「経営者になりたい」という2つの気持ちが芽生えました。漠然とそういう思いがあって、東大の工学部に行きたいと思いました。そのきっかけになったのが『ドラえもん』です。人よりちょっと本気で『ドラえもん』の世界に憧れました。夢みたいな世界に思うかもしれませんが、僕は本当に作りたいと思っていました。みんなが「あくまでも漫画の世界だよね」と思っているものを現実で作ったらびっくりするだろうって。そんなところが最初のモチベーションだと思います。
Q2:ここ1年以内においてあなたの生活に最も良い影響を及ぼした1万円以内の買い物は何ですか?
何にしようか迷ったのですが、スティック型のBBクリームですね。ファンデーションのようなものです。これを使うと肌がめっちゃキレイに見えます。対面って相手に与える印象が大事だし、付けると単純に自分のテンションが上がるので。あとスティックのりみたいに気軽に使えるところも良いですね。同年代で使用している人は多いと思います。僕は大学2年生くらいから使っているのですがいろいろ試した結果、今使っているものが1番良くて、これに落ち着いています。価格は3,000円〜4,000円くらいですね。デートする時も使っています。
Q3:自分の中では失敗したと思った出来事が後の成功につながったことがありますか?具体的に教えてください。
失敗したと思ったことはありませんが、不運だなと思った出来事があります。高3の時に2回入院しました。ちょっとした病気になって、手術のために2週間入院するということが2回ありました。痛いし、受験期なのに時間も取られるし、その時は不運だなと思いました。でも結果的に人生の経験として良かったです。まず気持ち的な面でいえば医者とか看護師さんがめっちゃ好きになりました。受験期だったので入院中も勉強しようと思っていたのですが、夜中に看護師ルームとかを貸してくれて、病院全体がとても協力的でした。僕が珍しく若い患者だったこともあるのかもしれません。入院中に東大受験のことも話していたので、当時の病院の方が一丸となって応援してくれました。感動的でしたね。この一連の経験は自分にとって非常に良かったです。今でも当時の病院の方とSNSで繋がっていて、最近の僕の活動にもコメントしてくれます。なかなか築けない関係を築けたと思っていて、今では自分のモチベーションになっています。実は合格発表も病室でした。待望の合格の瞬間なのに1人だったし、結果が出ても病室なので叫ぶことができませんでした。喜びを噛み締めながら病院の皆さんにこっそり伝えに行きました。1回目の退院の時には感謝の気持ちを込めて手紙を書きました。僕の中では非常に印象に残っている出来事の1つです。
Q4:よく思い出したり、人生の支えとなっていたりする言葉はありますか?ことわざや誰かの言葉、あるいは自分が考えたオリジナルな言葉でも構いません。
『有言実行』が好きです。深い理由があるわけではないのですが、昔からそう思っていますね。努力しているところを見せずにサラッと物事をこなしてしまう「無言実行」もカッコイイのですが、僕的には周囲を巻き込んでいきたいというか。自分のやりたいことは宣言してから達成したいと思っています。その方が周囲の刺激になるし、なにより自分のモチベーションになります。ネガティブな言い方をするとビックマウスなんですけど、ビッグマウスであるべきというのが僕の考え方ですね。「海賊王に俺はなる」を弱小の時から言い続ける感じですね。大分県の小さな小学校で「東大に行く」と小学生から言っていました。僕にとって「東大に行く」は自己紹介の一部でした。今だと「20代の内にスタートアップで日本ナンバーワンを取る」ですかね。いろいろなナンバーワンがあると思いますが、AIだったらいろいろあるし、数字的がすべてではないので。定性的なナンバーワンかもしれないし、最も時価総額が高いでも良いし、どのナンバーワンになるかは正直、まだ定まっていません。こうやって敢えて言うことで自分の首が締まるというか。これが記事にされたら引き返せないので、どんどん言っていきます笑。
Q5:今まででお金、時間、エネルギーなど何でもよいが自分のリソースを投下して最も価値のあったものは何だと思いますか?
部活とサークルですね。部活は高校まで野球部で、大学はダンスサークルに入っていました。この2つにはお金、時間、エネルギーも投下したし、価値があったと思っています。野球の方で言えば人間関係、責任感が身に付きました。ダンスにも野球と同じように人間関係や責任感がありましたが、さらに広義のコミュニケーション能力がついたかもしれません。知らない人と関わることも増えるし、知らない人と同じ場を盛り上げることもあるし、野球とは違うコミュニケーション能力が求められるのでそういう部分が自然とできるようになりましたね。大学に行ったらダンスをやろうと決めていました。昔からダンスがカッコいいと思っていたことに加え、起業して海外に行こうと思っていたので、英語ができなくてもダンスができれば輪に飛び込めるのではないかと考えたことがダンスを始めたきっかけです。ストリートダンスのポッピンをやっています。今も趣味で踊っています。
Q6:自分の中でくだらないけれどなぜか止められないクセや習慣はありますか?
電話中とか画面オフのオンライン会議中にめちゃめちゃ動いちゃうことですね。部屋を歩き回ります。歩いている方が頭の回転が早くなる気がして。歩き回るだけなら良いけど、たまに踊っちゃいますね。集中していないわけではないんです。その方が頭が働くと思っています。
Q7:ここ数年であなたの人生をよりよくしてくれた新しい考え方や行動はありますか?
彼女と半同棲したことですかね。半同棲というか、ほぼ同棲状態ですね。僕はけっこう自分のやりたいことや自分の時間の使い方がはっきりしているタイプで、それ以外には時間を使いたくないと思っています。割と人に合わせて時間を決めたり、他の物事のとの兼ね合いで自分のやりたいことが疎かになったりするのが嫌なんです。そういう経緯から同棲に限らず、シェアハウスとかでも誰かと一緒に住むのは絶対自分には合わないと思っていました。これまでは違う価値観の人と無理に同じ空間で過ごしたり、暮らしたりしなくても良いんじゃないかと考えていたのですが、実際に同棲してみて彼女と一緒にいると自分が成長している気がします。相手の価値観に寄り添う努力をできるようになったし、理解できる範囲が広がりました。
Q8:これから新たな挑戦をしようとしている若者へ伝えておきたいアドバイスはありますか?あるいは他者からのアドバイスで無視した方が良いと思うものはありますか?
僕も若者なので友だちに言うような感じになってしまいますが「ビビんな。自信を持っていけ。」ですね。僕もビビらないわけではないですが、ビビったからといって行動は規制されないタイプです。何かに挑戦しようとしてビビるのは当然の感情です。それよりも得られることの方が多いので、そこはロジカルにGOしますね。
Q9:ここ数年で、うまくNOと言えるようになったこと(ビジネスでもプライベートでも)はありますか?断るコツはありますか?NOと言えるようになった結果、新たに気づいたことや役に立ったことはありますか?
断るコツとしてお互いにプラスになるような代案を提示するように意識しています。例えばイベントに招待されたとします。そのイベントがスケジュールやテーマ的に合わない場合「僕はこっちのイベントに参加するんだけど、良かったら来ない?」とか「こんなイベント主催するけど、どうかな?」といったような言い回しをします。このインタビューで言ったら、みんなにバレちゃいますね笑。
Q10:行き詰まった時、考えがまとまらなかった時、集中力が途切れた時、どうしていますか?
仕事でもプライベートでも行き詰ったり考えがまとまらなかったりした時は会社の仲間に電話します。今の会社は全部で25人くらいで、エンジニアが多いです。その中で初期から参加しているコアメンバーは7人くらいです。『2wins』は 2022年2月17日設立です。集中力が途切れた時はその場で踊ります。1日2回くらいは部屋で踊っているますが、その時は集中力が切れているってことですね笑。
Q11:サルバドールされたアートや芸術はありますか?単純に好きなアートや芸術でも構いません。
『グレイテスト・ショーマン』という映画が好きです。ヒュー・ジャックマン主演のミュージカル系の作品で、人種差別的なテーマも含んでいます。なによりも劇中の曲が良すぎて好きです。高校の時に1人で観に行きました。当時、東大の工学部に行って発明で起業するという夢を持っていたのですが、そこに「ハリウッドスターになる」という目的が追加されるくらい衝撃を受けました。今はロボット系の映画はCGだけど、将来いつか本物のロボットが出演者になる日が来ると信じていて。僕自身がハリウッドスターになるのは難しいかもしれないけれど、例えば僕の会社がロボットを開発したら、少なくともそのロボットの開発者として撮影現場には呼んでもらえると思うんです。その流れで出演している俳優にロボットの操作方法を教えて、その俳優が僕も役者として作品に出られるよう監督に話してくれることに期待しています。壮大な妄想ですけどね笑。
Q12:人生のターニングポイントにおいて、あなたに大きな影響を与えた人物は誰ですか?(有名人でも誰でも構いません)または誰にサルバドールされましたか?そして誰をサルバドールしたいですか?
サルバドールされたのは両親です。僕は人生のポイントで攻めの意思決定をすることが多く、その時に背中を押してくれたのが両親でした。当時、大分から東大に行ったり、起業したりする人は少なくて。リスクを伴うこともあったのですが、それを止めることもなく、できると信じてくれていましたね。「大学に行け」とも言われず、選択の自由を与えてくれました。その中で両親には隠さずに東大に行きたい、起業したいという思いを言い続けていました。時間はかかってしまいましたが、少しずつ実現しています。僕の判断を信頼してくれる両親の姿勢に救われている気がします。
誰をサルバドールしたいか、と考えたらやはり1番に家族が出てきます。恩返しがしたいです。次に親しい友人や恋人など身近な人が思い浮かびます。肩入れして貢献していきたいなと思っています。その中でも特にサルバドールしたいのは今の会社の仲間ですかね。僕の根拠のない自信で大きな目標を掲げ、一緒に夢を追わないかと誘った結果、集まってくれた仲間です。それに付いてきてくれている仲間に他じゃみられない景色を見せてあげたいという思いはかなり強いです。自分がナンバーワンになりたいのもありますが、一緒に付いてきてくれている仲間もナンバーワンにしてあげたいという気持ちがあります。頂の景色を見せてあげたいです。
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