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2025/01/17
月刊サルバドールズ

 

月刊サルバドールズ #22

石川 明大(ミスターセンクス)/株式会社UNIMOTTO 代表取締役

 


 

 

 

「世界の美女にMOTTOチヤホヤされたい。

 

Profile:

・2006年3月 明治大学 政治経済学部 経済学科 卒業

・2006年4月 栃木県内のマーケティング会社に入社

広告媒体の営業を経て、県内上場企業を初めとした様々な企業のマーケティング・ブランディング支援を行う

営業職と兼務し、自社の新規事業開発担当として従事

・2024年3月 栃木県内のマーケティング会社を退社

・2024年4月 株式会社UNIMOTTOを創業し、事業開始

 

 

Q1:人生において大きな影響を受けた本はありますか?また、よく人にプレゼントする本はありますか?

といえば、やっぱりヤングさんの『アイデアのつくり方(ジェームス・W・ヤング著)』です。あと自分の強みを診断できる『ストレングスファインダー(トム・ラス著)』も。経営者や自分がよく話すお客さんほぼ全員にあげています。特に『ストレングスファインダー』に関してはプレゼントした社長が気に入って自分で診断したのち、さらに部下である常務にも買う…みたいな流れがありますね。自身と関わる人がどういう特性なのか知りたい、という気持ちがあるんですよね。その人に無い強みを持っていれば自分が補完できるし、自分と似ているのであればブーストできる、と考えています。伴走支援はその人との関係性が大事ですから。

人にプレゼントするのはだいたいこの2冊ですね。両方とも10冊くらいはあげているかもしれません。『アイデアのつくり方』はクリエイティブ系の仕事をしていた時に読んだ本です。仕事柄、事業戦略やアイデア発想などに携わっているとアイデア発想自体がプレッシャーになってしまうことがあります。アイデアってどちらかと言うと降りてくるものだし。それをビジネスにするということは、常に安定してアウトプットする必要がある、ということなんです。その時にアイデアが降ってくるのをただ待っている不安定さというものがアイデア勝負の仕事にはあるんだな、と感じました。著書の中に「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何物でもない」という一文があります。この言葉で安心しました。さらにその本の中で「アイデア発想はフォードの自動車工場と同じだ」みたいなことも言っていました。自動車って必要な部品を手順通りに組み立てたら出来上がるじゃないですか。それと同様にアイデア発想にも決まったプロセスがあって、その通りにやればアイデアが生まれてくるということなんです。そもそも人類が考えたことのないアイデアを出すのは難しいです。「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何物でもない」という言葉で肩の荷が下りた気がしています。どんな人でもアイデアを出さなくてはいけないシーンがあると思うので、もっと気軽に考えられるようその考え方を共有したいと思いました。

 

 

Q2:ここ1年以内においてあなたの生活に最も良い影響を及ぼした1万円以内の買い物は何ですか?

ーヒードリッパーです。3,300円くらいだったかな。サラリーマン時代は朝と夜にスタバに行っていました。独立して引っ越したら、スタバが遠くなってしまい、今はほとんど行っていません。その代わりスタバで買った豆を毎朝このコーヒードリッパーで淹れています。スタバは勉強とか何かの作業とかサラリーマン以外のことをする場所というイメージがあり、サラリーマン時代はスタバに行くことで仕事とプライベートのオンオフを切り替えていました。独立してからは生活が大きく変わりましたね。まず、公私混同が凄くなりました笑。

独立して仕事とプライベートの境目が曖昧になり、家が仕事場になったことでわざわざスタバまで行ってオンオフを切り替える必要がないと思ったんです。

買ってみたのはいいものの、ハンドドリップは意外と面倒くさいです。コーヒーが落ちるまで時間がかかるし、お湯が無くなったら足さなきゃいけないし。5分くらいだけど、朝のその時間はハンドドリップに集中しないといけません。コーヒーメーカーならスイッチひとつで解決するけれど、そういう非効率なものやアナログな作業が良いと感じている自分がいます。そして「自分でコーヒーを淹れても割と美味しかった」というのが新たな発見です笑。

 

 

 

 

Q3:自分の中では失敗したと思った出来事が後の成功につながったことがありますか?具体的に教えてください。

の成功につながったことか…何だろう、難しいな。いろいろ失敗はあるけれど、就職かな。明治大学に通っていたのですが、当時周りはみんな大手企業に就職が決まっていました。いろいろな理由があったけれど、1番大きかったのは就活中に父親が病気になったことかな。一人っ子だったので、実家に戻ってあげようかな…と当時は妙な使命感がありました。今、考えればそれも言い訳だったのかもしれません。大企業の歯車みたいになりたくない、という想いが強かったんです。

人に聞かれれば家族のことを理由にしてきましたが、みんなと同じような就職先でひとつの歯車みたいになることに納得がいかなかったんです。地元に戻ってきていろいろな経験が積めました。前職は規模的に中小企業でしたが、チャレンジングな会社でした。そこでの経験が今の独立に繋がっていると思います。大手に就職すればまた違った展開があったと思うし、東京の大手企業に就職した人たちの活躍を見て思うところもありましたね。一時期は栃木に戻ったことを後悔した時期もありましたが、今はこの選択に納得しています。

 

 

Q4:よく思い出したり、人生の支えとなっていたりする言葉はありますか?ことわざや誰かの言葉、あるいは自分が考えたオリジナルな言葉でも構いません。

葉というか単語になるかもしれませんが「ジャイアントキリング(ジャイキリ)」です。弱いものというか、強くはないけど熱い情熱を持っている人たちが、あぐらをかいている大物たちを打ち負かす。そういうストーリーに共感します。スポーツではよくある光景なのかもしれませんが、実はそんなにスポーツに興味がないんです。やっぱり会社とか、人の人生のジャイキリストーリーに共感します。そういう人の方がユニークなものをもっていると思うんですよね。

ニッチャー戦略的な感じが好きです。差別化して異なる戦略を取り、不動にも思えるような巨大な力に穴を開けるみたいな。そういうのが好きですね。例えば僕らみたいな地方の広告屋が、大きな賞を取るとか。栃木だろうが、大企業じゃなかろうが通用するよって言いたいです。熱い想いをもった人たちが知恵を出し合えばなんとかなります。表彰台に立った実体験があるから言えることなのかな。大手のメーカーや広告代理店よりも自分たちが高い表彰台に立ったあの時の光景は忘れられません。前職で『愛しきものたち』という企画に携わり、それが多くの人に認められ、さらに表彰台に立ったことで報われたと思いました。そこに自分が携わっていたという事実にも興奮するし、自分と関わる人たちにもそういうスピリットを埋め込みたいです。

 

 

Q5:今まででお金、時間、エネルギーなど何でもよいが自分のリソースを投下して最も価値のあったものは何だと思いますか?

み会。(即答)

酒とその場での対話ですね。そこにはとんでもなく投下していると思います笑。話をしていれば平気で6時間くらいは飲み続けますね。そこで生まれたものが大事です。人脈もそうだし、アイデアもそうだし、考え方とか、諸々あります。誰かと酒を飲んでいると急に会議が始まることもあります。飲み会の場で作られているものはけっこう価値が高いと思っているし、そこでしか生まれない何かがあります。真面目に仕事をしていればもっと生産できるのかもしれませんが…笑。

酒が好きというか、そこで展開される会話が好きなんですよね。

 

 

Q6:自分の中でくだらないけれどなぜか止められないクセや習慣はありますか?

ログですね。一言でいえば、くだらない。本当にくだらない。けどやめられない笑。

アウトプットし続けるというのは、自分に課された使命だと思っています。書きながらインプットとアウトプットのバランスを感じるんです。ずっと同じことを書いている時って、インプットが足りない時なんですよね。ブログは自分の調子を知るためのバロメーターです。よく人から「テンションの高低とか機嫌の良し悪しとかがあまりなくて一定だ」と言われます。でも何となく自分の中でメンタルの揺れ動きはあって。テンションが上がらない日は筆が進まないんですよね。ブログを書くことでメンタル面のコンディションをチェックしています。見ている人からすれば、クソほどくだらないブログだと思いますが…。ブログのタイトルは「感謝」です。特に世界の美女にはいつも感謝しています笑

そういう意味では美女に対する妄想はやめられません。世界の美女にMOTTOチヤホヤされたい。あんなことやこんなことをしたいんだけど、妄想で止まってしまっている状態です。PDCAのPはできています。Dに至っていない。Pから先へ進めず、ずっとP Pしています。「やらないのか」「やれないのか」そこは分かりませんが、ずっとPPしているブログです。

できれば中東系の美女がいいな。やっぱアジアとヨーロッパが混ざっている感じが最高ですね。月夜に照らされながら美女とイチャイチャしてラクダに乗りたいです。

 

 

Q7:ここ数年であなたの人生をよりよくしてくれた新しい考え方や行動はありますか?

ルフレッド・アドラーの『嫌われる勇気』が好きです。著書の中に「課題の分離」という考え方が出てきます。課題の分離とはアドラー心理学の理論で、自分の課題と他者の課題を区別する考え方のことです。自分の力でどうにかできることは自分の課題として考えるべきだけど、他人の課題まで背負い込むことはしない。人って、変えられないことを変えたくなってしまう時があります。でも変えられないことを無理に変えようとするのはやめました。

人は人、自分は自分です。

「馬を水飲み場まで連れて行くことはできるけど、馬に水を飲ませることはできない」というイギリスの古い諺があります。伴走支援を生業にしているので、馬を水飲み場まで連れて行くのと同様、事業者を支援して何かしらのきっかけや機会を与えることはできます。でもそこから水を飲むかどうか、つまり実行するかどうかは相手の気持ち次第ですよね。水を飲みたくない人に水を飲ませることはできません。自分が支援できるところまでは全力でやります。それが大事です。でも、その先は相手次第です。その先に相手の決断というものがあって相手に答えを委ねる場合、いろいろな手段を使えば無理矢理に進めることも可能だけど、それでは良い結果にならないんじゃないかな。冷たいかもしれませんが、明確にそこを線引きにすることで自分の人生もより良くなると思っているし、実際に自分の人生がシンプルになってきました。

 

 

 

 

Q8:これから新たな挑戦をしようとしている若者へ伝えておきたいアドバイスはありますか?あるいは他者からのアドバイスで無視した方が良いと思うものはありますか?

者には「いろいろなコミュニティに属した方がいいよ」とよく言っています。あと「会社の外にコミュニティを作れ」とも。会社の中でトップに辿りついたとしてもそれは「お山の大将」でしかないんです。外にはもっと広い世界があるのに、どうしても組織っていう内側の世界に入ってしまう。家庭も似たようなものかもしれません。会社も家庭も気付かないうちに内々に収束していくものだと思っていて。そことは違う視点をもつ人たちと接点をたくさん持つことで、いろいろな世界が見えてくるし、自己成長のきっかけになるんじゃないかな。大きく言えばサルバドール・ダリもそうですよね。アートと芸能の両方の世界があったことで良い影響を及ぼしたんだと思います。

会社員時代は社内のコミュニティの他にお客さんや士業の方、特に診断士の人たちとのコミュニティをもっていました。サラリーマンからしたら「ちゃんと会社の仕事をしろ」と思うのかもしれませんが、実は外から持って帰って来た情報が会社にとって大事だったり、自分の可能性を広げたりすることもあるんです。だから出来るだけ外との接点をもっていたような気がします。

前職の企画『愛しきものたち』では、とにかくたくさんの人に会いに行きました。取材を通じてビジネス的な側面だけでなく、その仕事に携わる人の人生観をたくさん聞けたので、その点に関してはとても恵まれていたし、間違いなく自分の人生に影響していると思います。

 

 

Q9:ここ数年で、うまくNOと言えるようになったこと(ビジネスでもプライベートでも)はありますか?断るコツはありますか?NOと言えるようになった結果、新たに気づいたことや役に立ったことはありますか?

本的に断るのが苦手で、あまり「NO」と言いません。基本「YES」だし、会社を立ち上げて1年目ということもあったので、誘われたら1回は必ず行っていましたね。でも最近は限界を感じてきています笑。人脈が広がれば広がるほど、全部「YES」とは言えない状況になってきました。有限だし、誰かに「YES」と言ったら誰かに「NO」と言わないといけないということにも気付きました。人のことをなるべくそういう軸で見たくはないけれど、自ずと優先順位が出てきてしまいます。いろいろな人と会う中で、あの人とは今後も会いたい、とりあえず1回は会ってみる、この人はそんなでもないかな、この人はもう会わない、といった軸ができてきました。選択と集中じゃないけれど、1度「YES!YES!」と広げた人脈を新たな自分の価値観や軸を作って収束させていくという感じです。そのためには「NO」と言わざるを得ない。だから目的ありきで「NO」と言っています。嫌だから断るというよりは今、頼ってくれている人たちにかける時間が奪われるなら…という考えですかね。有限だからこそ自分の価値基準を大事にしています。

断るということは相手の意思を否定することだから、なるべく相手を傷つけないようにしようと思っています。その一方で断り文句を言えば言うほど相手を傷つけてしまっているような気もします。明確に伝える方が相手を傷付けずに済むのかな。相手を傷つけないためのウソや方便は必要ないのかもしれません。

人間の思考と行動を3タイプに分類し「ギバー」「テイカー」「マッチャー」と表現することがあります。「ギバー」は他者を中心に捉え相手が何を求めているかを注意深く考えるタイプの人です。「テイカー」は常に多くを受け取ろうと行動し、相手が望んでいることよりも自分の利益を優先していくタイプです。「マッチャー」はギバーとテイカーのちょうど中間です。常に公平という観念に基づいて行動する人で、与えられなければ与えないし、何かをしてもらったら恩を返すというタイプです。この3タイプで考えるなら、テイカーとは会わないですね。自分も苦労するし、相手も苦労する気がします。相手を利用しようとしている人や自分が努力せずに相手から何かを奪おうとしている人は話していると分かります。そういう人とはそもそも相性が合わないし、明確に「NO」と伝えます。

 

 

Q10:行き詰まった時、考えがまとまらなかった時、集中力が途切れた時、どうしていますか? 

ちます、勃ちます、その両方です笑。昇降デスクで仕事しているので立つのと座るのが半々くらいです。あとランニングが好きなので、体を動かしますね。さらに美女との妄想で勃つ、これが大事です。行き詰ったらスタンドアップです。そうするといろいろな意味でスッキリします。

家にいないで外に出るとか、モードを変えるとか今の状態を無理矢理、変えます。ほかにも集中力が途切れた時の行動パターンはいくつかあります。あと私生活と仕事のモードを切り替えるために朝はお香を焚きます。週の3〜4割は家で仕事をしていて基本1人なので、ふと寂しくなる時もありますね。

 

 

Q11:サルバドールされたアートや芸術はありますか?単純に好きなアートや芸術でも構いません。 

き様も含めてダリ。サルバドール・ダリの『天才の日記』である方に火をつけてしまった責任もあるし笑。「トランペット伯爵」で笑い転げたあの日が忘れられません。

堂々と「変」を貫く姿勢が最高なんです。日々ユニークを追求していく中で、ダリはとてもユニークだと思うし、それを堂々とやっているし、人と異なる言動が当たり前になっているところも凄いです。

同じ方向を向かせるとか、そういう教育とか、いろいろな多様性を消していこうとする世の中で、変な人やマイノリティの人が堂々と発言したり行動したりできる社会を当たり前にすることが「UNIMOTTO」のモットーです。

ある意味、それを世の中に開放して認められている人、それがダリなんです。当然作品とかも好きだけど、その在り方にすごく影響を受けています。「天才を演じきると天才になれる」つまりそういうことなんだと思います。変なことを堂々とやって、みんなが賛同してくれば、それが常識になります。「令和のダリ」にはなれないかもしれないけど笑。ああいう在り方、手法で一躍有名人になったわけですから、あの方は。

 

 

Q12:人生のターニングポイントにおいて、あなたに大きな影響を与えた人物は誰ですか?(有名人でも誰でも構いません)または誰にサルバドールされましたか?そして誰をサルバドールしたいですか?

分に大きな影響を与えた人物は父親かな。私が20代の就職の時に病気になり一命は取り留めたのですが、その後、40代の時に別の病気で急死してしまいました。翻弄されたというか、父親に何か言われてそれが人生に影響したとかそういうことではないので、影響のされ方がちょっと特殊かもしれません。自分のターニングポイントで父親に何かが起こって、その度に自分の考えがいろいろと決まった、ということはありました。日々の生活の中で「人生80年。親もまだ生きるだろう」と漠然と思うんですよね。でも昨日まで何ともなかった父親は急死しました。その時に「当たり前に続いているものが、本当に当たり前じゃない」と月並みですが、そう思いました。やれることがあるならやっておかないと遅い、物事を始めるのに早過ぎるということはない、やろうと思ったらやらなくちゃいけないと強く感じました。

石川的サルバドールに関しては、ユニークの開放ですね。マイノリティの人たち、そういう人たちが堂々と生きられる世の中にしたいです。「ユニークだって良いんだ」と思わせてくれたのがダリなんです。

 

 

 

 

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株式会社UNIMOTTO 

 

 

 

 

 

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