編集長日記
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- 2025/07/01
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先日、東京都美術館で開催されている「ミロ展」に行ってきました。
ジョアン・ミロはピカソ、ダリと並び「スペイン三大巨匠」と呼ばれています。
年代的にはダリのちょっと先輩。
幼いころから絵が好きで、たくさんの作品を世に残しています。
画家になりたかったけれど、厳格な父の勧めで真面目に就職。
17歳で会計の仕事に就くんだけど、合わなくてすぐに病む…。
「人間、本能的に合わないことには取り組むな!」というミロ先生からの教えですね。
心に刻みます。
生きているといろいろありますよね。
特に迷った時、上手くいかないと感じている時の自分の心の声って大事。無視しちゃいけないやつ。
やっぱり自分の本意でないことには気が乗らないし、後回しになる率も高い。
(編集長調べ。サンプル:弊社代表)
そんなこんなで療養中に本格的に画家になることを決意。
以後、絵画やデッサンだけでなく彫刻や版画、壁画、挿絵など様々な表現を追求しました。
特に好きだったテーマは星や月などの自然。故郷の絵もたくさんあります。
独特の感性で描かれたモチーフは、まるで子どもの落書きのように自由で可愛らしい。
周囲は赤や青、緑や黄色で彩られ、とてもカラフル。
さらに黒の縁取りが作品全体に心地よいバランスをもたらしています。
シュルレアリスムグループの中心的存在だった詩人のアンドレ・ブルトンとも交流し
自身もグループにも所属したんだけど、価値観や方向性の違いが生じ、ほどなくして脱退。
のちにミロは「集団行動の是非」というアンケートに対して以下のように回答しています。
『確かに何か行動を起こすには常に集団の力が必要だ。だが、個性が強すぎたり病的だったり、何なら破滅的な人間にとって、共同体が必然的に要求する兵舎のような規律を守ることはできない』
たぶん…。たぶんだけどね、集団行動が苦手なのかな笑。
大きな成果を出すには集団の力は確かに必要。仲間は多い方が絶対に良い。
でも、その一方で集団が発する独特の雰囲気や暗黙のルール、同調圧力的なものに馴染めなかったんだと推測します。
その気持ち、私もちょっと理解できるかも…。
この言葉がなんだか心に刺さって、スマホのメモに入れています。
戦争体験を経て平和を願う作品を描いたり、拝金主義に対抗して自身の作品をガソリンで燃やして価値を下げようとしたり。
その表現は常に自由。90歳近くまでアグレッシブに活動しました。
東京都美術館にはガソリンで燃やした作品も展示してあります。
しかも、燃えたことで逆に価値が上がってしまったというオチ付き笑。
ミロはダリとも関わりがあって。
実はダリも画家になることを父親に反対されていたんだよね…それを説得したのがミロ。
でも、そんな頼れる先輩をのちに「カタルーニャの農夫にすぎない」と言ってしまった後輩ダリ笑。
でも、この言葉はミロへの敬意を最大限に表現していると思っています笑。
同郷だし、なんやかんやでミロ先輩を慕っていたと信じたい。
もぅ。ダリ先生、素直じゃないんだから笑。

編集長 惠美須美紗子