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2025/07/30
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「24時間戦えますか?」

 

その昔、軽快なリズムに乗って「24時間戦えますか?」「ジャパニーズ・ビジネスマン」と力強く歌うCMが放送されていたことをご存知でしょうか。

 

1989年に放送されていたある栄養ドリンクのCMです。

当時、バブル景気に沸く日本社会では長時間働くことが美徳とされ、ビジネスマンは激務に追われていました。

このCMはそんなビジネスマンを応援するメッセージとして、多くの人々の共感を呼びました。

子どもの頃、意図されたメッセージに気付かず軽快に歌ってたなぁ…笑。

 

現在、働き方に対する価値観は大きく変化し「長時間労働や休日返上はナンセンスざます」という考えに変わってきました。

この栄養ドリンクを販売している企業も時代の流れに伴い、現在は「24時間戦えますか」というフレーズをCMで使用していません。

 

さて、隠れ社会不適合者として己の素性を隠し、社会の荒波に揉まれていた昔の編集長。

そういや、当時の勤務先でも「残業してこそシゴデキ」という風潮はありましたな…。

 

さて、いきなりですが問題です。

『同じ量・同じ内容の仕事を2つのチームにお願いしました。

Aチームはメンバー全員が残業し、休日出勤もして完遂。Bチームは定時で終えられるよう分担し、休日出勤なしで完遂。

あなたはどちらのチームを「優秀」と判断しますか?』

 

一般的なビジネスの視点から見れば優秀なのはBチーム。

彼らは限られた時間内で最大の成果を出し、効率性と計画性そして従業員のワークライフバランスという現代の企業に不可欠な要素を高いレベルで実現しています。

 

しかし、ここで事件が起こります。

なんとBチームよりも多くの時間を費やしたことが「頑張った」と評価され、Aチームだけに臨時ボーナスが支給されました。

数か月後、Bチームのメンバーは全員退職しました。

 

これは大事件ですね笑。

たしかにAチームの「努力」は目に見えやすく、経営者にとって理解しやすい「献身」として映ったのかもしれません。

もちろん身を削って、多くの時間を提供して業務を遂行したAチームの貢献は評価されるべきです。

 

しかし、これが常態化し「時間をかけた者が報われる」というメッセージが発信されてしまうと組織全体にゆがみが生じます。

非効率な働き方を助長し、Bチームのように効率を追求するチームのモチベーションを奪いかねません。その結果、優秀な人材が流出します。

 

もちろん効率良く仕事することがすべて、というわけではありません。

しかし、今後は「効率的に最大の成果を出す」ということについて少し考えていく必要があります。

 

有難いことに1989年とは異なり、今はAIやIT技術による効率化という手があります。

それらを上手に活用しつつ、本当に自分たちのスキルや時間を費やして着手しなければいけない仕事に注力できたら最高ですな。

 

もちろん時間をかけることが重要な時もあります。

時間をかけて習得した学びや努力の過程は絶対に裏切らないし、自分の力になります。

その時間と努力は何事にも代えがたい人生の宝物です。

 

情報過多で頭がパンクしそうな世の中。

努力と同時に、どこに全集中するか見極めないといけないのかもしれません。

 

ちなみに…先程の問題文の内容、実際にあったとか無かったとか。

信じるか信じないかは、あなた次第。

 

 

編集長 惠美須美紗子

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