編集長日記
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- 2026/04/24
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「気難しいんですわ。」
弊社は株式会社サルバドールズなので、もちろんダリ先生を推しているのですが
編集長はジョルジョ・デ・キリコも好きです。
ちょっと名前が長すぎるので以下、親しみを込めてキリコと呼ばせていただきます。
キリコはイタリア人ですがギリシャで産まれました。
両親は共にイタリア出身。
キリコが産まれた1888年、キリコ一家は父親の仕事関係でギリシャに移住していたので、このような経歴になっています。
キリコといえば「形而上絵画」
これは20世紀初頭にキリコが主導したイタリアの絵画様式です。
「けいじじょうかいが」と読みます。
形がなく、感覚では捉えることのできない抽象的なものを形而上と言うそうです。
ムズカシイネ。
これはね、聞くよりも観た方が早い。

形而上絵画の特徴は非日常的な雰囲気です。人影のないイタリアの広場。
そこに唐突に置かれた石膏像。
この構図は観る人に不安や謎めいた感覚を与えます。
そして不自然な空間。
一見きちんとまとまっているように見えるのですが、遠近法が歪んでいるので妙な違和感を感じます。
さらに強い光と影の描写。
強烈な光のコントラストにより建物が奇妙に引き伸ばされ、どこか緊張感のある空間が表現されます。
観れば観るほど不思議で、妙に癖になる。これがキリコの魅力です。
シュールな感じが相まってキリコもダリ同様、シュルレアリストだと言われることがあるのですが
キリコはシュルレアリスム運動が始まる前に既にこの技法で作品を発表していたので
シュルレアリストとは微妙に時代が異なる…と編集長は思っています。個人的にね。
でも、のちの美術の在り方、特にシュルレアリスムには大きな影響を与えたことは間違いない。
キリコは一時期「シュルレアリスム宣言」で有名なアンドレ・ブルトン率いるシュルレアリスムグループに属していた時期もあったけれど、気難しい性格でブルトンと仲違い。
のちに脱退しています。
ダリもそうだけど、芸術家っていうのはみんな気難しいんですわ笑。
「形而上絵画」という度肝を抜くような構図で当時ブイブイ言わせていたのに
急に「原点回帰!」と言って古典的で写実的な作品をどんどん発表。
これがね、仲違いの原因ですわ…たぶん。
「シュルレアリスムの先駆者だったのに!?頼んまっせ、キリコはん!」ってブルトンは当時、思ったんだろうね笑。
そんでもって
歳を取ってからは過去に自分が描いた作品を「贋作だ」と言い張って、美術館から撤去するよう求めたり「新形而上絵画」と称して、再び訳の分からん構図の作品を描いてみたり。
芸術家っていうのはみんな気難しいんですわ笑。(2回目)
人生いろいろありますが、1978年に90歳で亡くなるまで精力的に活動しました。
多作で偉大な画家のひとりです。
数年前に東京・上野で大規模な回顧展が開かれました。あれは本当に素晴らしかった。
最後に私が1番好きなキリコの作品をご紹介します。

コチラは「不安を与えるミューズたち」という作品で、1916年から1918年にかけて制作されました。
第一次世界大戦時にキリコが軍役でイタリア・フェラーラに滞在していたときに描かれたもの。
当時の不安な心情が構図や色使いに表れている気がします。
これもね、やっぱりジーッと観ていると、なんか不安定。なんか不思議。
心がザワザワする感じを覚える人もいるみたいだけど、私は癒されるんだよね笑。
皆さんは、この絵を観てどう感じますか?
編集長 惠美須美紗子
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