編集長日記

NEWS編集長日記

2026/07/10
編集長日記

「人生の正午。」

 

スイスの心理学者カール・ユングが提唱した「人生の正午」という話をご存知でしょうか。

我が子が今年の春、小学校を卒業した際に担任の先生がクラスへの餞の言葉として贈ってくれたのですが

それがとても素敵で。教えてくれた先生に感謝しています。

 

ユングは約80年の人間の生涯を太陽の1日の動きに例えました。

そして40歳前後の時期を「太陽が真上に昇る『人生の正午』である」と表現しました。

この正午を境に生まれてから40歳までの人生を「午前」、40歳以降の人生を「午後」としました。

 

午前中は太陽が昇り、光が強くなっていく時間帯です。

生まれてから40歳前後までの「午前中」の年代にあたる人々は、社会という荒波の中で自分の居場所を作るために奔走する時期でもあります。

勉強や就職、結婚、育児など、この年代は自分に課されるありとあらゆる出来事に真正面からぶつかっていくため莫大なエネルギーを要します。

 

一方で正午は太陽がゆっくりと傾き始める時間帯です。

40歳の「正午」を過ぎ、老後という「夕暮れ」に向かっていく年代になると人生の進み方はガラリと変わります。

体力的な限界が見え始めたり、組織での立場をリアルに感じたりする時期でもありますが

これは決して「人生の下り坂」を意味しているわけではありません。

 

40歳までの人生テーマが「外へGO!」なら、40歳以降は「内省せい!」ということ。

つまり正午以降の時間帯からは本格的な「精神的成熟の時期に入った」とも言えます。

 

そんな中、ユングは「午前中の戦い方のままで午後の人生を生きようとすると、心が深刻なエネルギー切れを起こしてしまう」と強く警鐘を鳴らしました。

 

若い時は自分の居場所を守ることに必死です。それに耐えうるパワーもあります。

それに加え、誰かから評価されたり、比較されたりという経験が自分の人生を良くも悪くも大きく左右します。

これには莫大なエネルギーが必要です。

 

しかし正午を迎え、人生の折り返し地点を過ぎてもなお、誰かからの評価や比較に固執し続けると次第に心は摩耗し、どこか虚しさを覚えるようになります。

 

午後の時間帯を迎えた心は「評価や比較」ではなく「自分はどう在りたいか(どう生きるか)」そして「自分を突き動かす衝動(ロマン)は何なのか」ということに重点を置くようになります。

 

さらに人間の知能には新しいことを素早く吸収する「流動性知能」と

経験や知識を組み合わせて深く理解する「結晶性知能」があるそうです。

 

そのうちの「結晶性知能」は年齢と共に熟成されていくと言われています。

結晶性知能は「これまでの経験や知識、人生で積み上げてきたものが結晶化した能力」です。

つまり脳内アップデートを繰り返して得た壮大な知識のデータベースです。

 

知識や仕事を通じて培ったスキル、社会経験、言葉の豊かさ、他者の感情を推し量る洞察力など、これは若い世代では成熟しにくい感覚です。

ピンチの時に発揮される判断力や問題解決力がこれに当たります。

この能力は年齢と共に低下することはなく40〜50代、さらには60代以降も成熟し続けると言われています。

 

「亀の甲より年の功」ということですな。

しかし、この「年の功」もアップデートされずいつまでも古い認識のまま…となると話は別です。

全てをアップデートするのは不可能ですが、自分の人生や仕事に関連する能力は常にアップデートし続けることが大切なのですね。

私も古い知識でフリーズしないように頑張ります笑。

 

ユングの時代では人生の正午は40歳と捉えられていましたが

今や「人生100年時代」

そうなると、人生の正午は50歳ですな笑。

 

たしかに、新しいことを学び、身に付けるまでの時間は若い時より確実に鈍くなっている気がします。

覚えてもすぐに忘れちゃいます。

昔のようにスマートにはいきませんが、いろいろな方から価値観や知識、生き方を教えてもらい、それを自分の糧にして日々、精進していこうと思います。

 

 

編集長 惠美須美紗子

ロマン 編集長日記 編集長のひとりごと

戻る

CONTACTお問い合わせ

「サルバドール・ミー!」「ビジネス・サルバドール」の
ご依頼・ご相談
取材、講演、その他の問い合わせは
こちらからお気軽にお問い合わせください。

お問い合わせ

戻る