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- 2022/07/28
- 超現実
月刊超現実 #02
「 アラタメテ、シュルレアリスム。」
『月刊超現実』はダリを中心に惠美須がシュルレアリスムやアートについて語るコーナー。
シュルレアリスム(超現実主義)とはなんぞや。創始者はフランス人のアンドレ・ブルトンである。彼が提唱した1924年発表の「シュルレアリスム宣言」を読めば、シュルレアリスムとは何かがわかる。
そこにはこう書いてある。『「シュルレアリスム宣言」こそは20世紀の芸術・思想の出発点である。夢、想像力、狂気を擁護して、現実の奥深くに隠された超現実を暴き出し、真の生、真の自由に至る革命の必要を高らかに謳いあげる』と。さらに「いとしい想像力よ、私がおまえのなかでなによりも愛しているのは、おまえが容赦しないということなのだ」とブルトンは言っている。
そして宣言の中で彼はシュルレアリスムをこう定義する。「心の純粋な自動現象であり、それにもとづいて口述、記述、その他あらゆる方法を用いつつ、思考の実際上の働きを表現しようとくわだてる。理性によって行使されるどんな統制もなく、美学上ないし道徳上のどんな気づかいからもはなれた思考の書きとり」。ブルトンは詩人である。ダリは画家である。つまり表現の領域は限定されていない。
これらの文言には重要な示唆がいくつも入っている。真の生、真の自由に至ろうとするためには夢、想像力、狂気が必要なのだと。シュルレアリスムは理性による統制がない心の純粋な自動現象であり、「超現実」は現実の奥深くに隠されていると。
裏を返せば、我々の思考は通常、理性によって統制され、美学上ないし道徳上の気づかいに支配されていると言うことだ。それを取っ払う方法がある。「自動記述」と言う方法である。それは次回に紹介しよう!
アンドレ・ブルトン 1924年
出典:Wikipedia https://en.wikipedia.org/wiki/André_Breton