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- 2026/03/03
サルバドールズ
月刊サルバドールズ #26
一木 竜樹/株式会社Ichika 代表取締役

「やったるぜ、という心の熱量がないと何事もダメですね。」
Profile:
ドイツで開催された世界最大級の食肉加工品コンテストIFFA2025(国際ハム・ソーセージコンテスト)にて金メダルを受賞。現在は栃木県那須町に自身の工房を構え、店舗オープンに向けて挑戦を続けながらタープテントでクラフトソーセージ&ホットドッグの移動販売を行っている。
コンセプトは「日本の食文化×西洋の食肉加工技術の融合」。素材の繊細さを大切にする日本の感性と本場ドイツで磨かれた確かな技術を掛け合わせ、新しい食肉加工品の価値創造を目指す。将来の目標はミシュランガイドが「価格以上の満足感が得られる優れた料理を提供する店舗」に与えるミシュラン・ビブグルマンの獲得。
Q1:人生において大きな影響を受けた本はありますか?また、よく人にプレゼントする本はありますか?
本をプレゼントすることは無いです。人生において大きな影響を受けた本は『論語と算盤(渋沢栄一・著)』と『運命を拓く(中村天風・著)』です。昨年7月に大きな額の融資を受けて那須に来ました。ところが、ここに来て怖くなってしまいまして。表現が難しいのですが、失敗を恐れてしまったのだと思います。なぜ那須に来たのか、これからどうしていきたいのか、どういう店舗づくりをしていきたいのか、ソーセージで何をしたいのか、など自分のやりたいことが全く見えなくなってしまった時期がありました。頑張ってイベント等で販売していたのですが、夏に猛暑でお客様がいなくて、売り上げが大幅に下がってしまって、ずっと気分が晴れなくて疲労感が続いていました。その影響で心の中が暗くて苦しかったのですが、1月末くらいにようやく気分が晴れてきました。
自分のやりたいことや意思を優先せず、人に委ねていたことに気づきました。店舗づくりを人に相談するのは良いのですが、その意見を丸々採用し、自分の意思がなくなっていましたね。僕は学歴も含めあまり良いとはいえない環境で育ったので、若い頃は「やったるぜ」みたいな勢いで生きていました。仕事に関してもバリバリこなして、誰にも負けたくないという気持ちがありました。そのためには勉強が大事だと思って、大人になってから勉強し始めたのですが、当時のギラギラ感がなくなってしまって、とても悩んでいました。
その中で気づいたのは、やっぱり自分で考えることが大事だし「やったるぜ」という心の熱量がないと何事もダメなんだな、ということです。周囲と手を取り合って上手くいく人もいるのでしょうけど、僕はあまりそういうタイプではないということにも気づきました。自分でイメージしたものを「やったるぜ」という気持ちで実現させていくようにしないと自分自身がダメになってしまうことが分かりました。今は「こっからやれるんじゃないか」という感じになっています。気分が前向きになったタイミングで今回のこの取材のお話も来ました。気持ちが前向きになると良い方向に転がっていくのかな、と思っています。
インスタを見ていたら「思考が人生を創る」という中村天風さんの言葉が流れてきて、それが自分的にはグッドタイミングでした。自分もそうだと思っていた時に中村天風さんの言葉が出てきて「まさしくこれじゃん」と思ってすぐに中村天風さんの本を買いました。2月に買ったばかりなので、全部は読みきれていないのですが、めちゃくちゃ元気が出るし、パワーをもらえます。このタイミングで中村天風さんに出会えてとても良かったと思っています。なので今後、悩んでいる人がいたとしたら僕は中村天風さんをおすすめしたいです。自分の気持ちの持ち方とか勉強になります。
僕は18の時から「あれがやりたい、これがやりたい」とずっと強く念じて行動していました。その勢いで東京に行って、何のツテもないのに「バーテンダーがやりたいんだ」とずっと言っていましたね。そしたら東京のホテルのバーテンダーさんと出会って、修行先を紹介してもらい、そこからバーテンダー人生が始まりました。バーテンダーの仕事をしながら「自分でもソーセージが作れたら面白いな」と思ったんです。今度は「ソーセージを作りたい。どうしたら良いのかな。」と考えていたら、たまたま食肉連(全国食肉事業協同組合連合会)という団体がソーセージ加工や食肉製品の講習会を開催していると聞き、そこに参加することができました。自分の中に「やりたい」という熱い気持ちをもって、それを強く思っていると実現化されてきたという経験があるんです。
今回の那須もそうでした。ベーコンやソーセージを燻製するためには大型のスモークハウスという機械が必要になります。通常、高価なものなので僕みたいなちっちゃい会社だとなかなか手に入らないのですが、那須で辞める人がいて機械が余っているから見に来ない?とお声がかかり、那須にご縁がつながりました。これまで「これが欲しい、あれが欲しい。これがやりたい。」と思って行動していたから上手く歯車が回っていたのに那須に来た途端、失敗が怖くて、自分の意思もなくなって、未来もビジョンも何もかもが見えなくなって、最終的に人任せにしてしまう、という最悪なループに陥っていました。今は気分も明るくなってきて「これからやったるぜ」という感じです。
Q2:ここ1年以内においてあなたの生活に最も良い影響を及ぼした1万円以内の買い物は何ですか?
先ほどの話でも登場した『運命を拓く(中村天風・著)』です。本以外でも考えてみたのですが、まだ自分自身が「良い影響」というのを味わっていないからなのかな…ちょっと思いつかなかったです。
Q3:自分の中では失敗したと思った出来事が後の成功につながったことがありますか?具体的に教えてください。
若い頃は「俺が俺が」と我が強かったですね。人の話を聞かないというか、自分が1番みたいな気持ちがあったので正直、人との関わりを疎かにしていました。人付き合いが悪く、仕事をしている方が良い、みたいな感じでしたね。今、思えば仕事でしか自分を表現する場所がなかったのかな、と。友だちと遊ぶくらいなら仕事していたい、仕事でのしあがってやる、という気持ちがありました。
人との関わり方を見直した方がもっと良い人生を送れたのではないか、と思います。独立してからも「僕1人でどこでも生きていける」と最初は思っていました。でも困った時に誰かが手を差し伸べてくれて、やっぱり仲間の存在は絶対に大事だと実感しましたね。
当時は人との距離感やつながり方が分かりませんでした。これは憶測ですが、小さい頃からちゃんと人との距離感とかを学んでおけば今のような状態にはならなかったのでは…と思います。大人になって人との関わり方や勉強の大切さ、学ぶことの重要さを知ったので、今はそれを改善している途中です。
Q4:よく思い出したり、人生の支えとなっていたりする言葉はありますか?ことわざや誰かの言葉、あるいは自分が考えたオリジナルな言葉でも構いません。
サッポロビールのキャッチコピーで「丸くなるな星になれ」です。この言葉は昔から好きですね。若い時は尖っていたいという思いが強くて丸くなってたまるか、と思っていました。大人になって改めてこの言葉を聞いた時に丸くなりすぎないで、尖りもありつつ輝いていたいという自分の心情にすごくマッチしましたね。でも同時に結局、人の意見ばかり聞いて丸くなっていると星になれないんだな…ということにも気づいて。ようやくこの言葉の本当の意味が分かった気がします。昨年の7月頃からは失敗したくないという気持ちがあって、人の意見が全てだと思ってしまった時期がありました。お店づくりに関しても自分のアイデアやセンスを疑ってしまいとりあえず専門家の人に相談しよう、という流れになりがちでした。
本来であれば「こういうことがしたいから、どうすればいいですか?」と質問すれば良かったのに完全に丸投げ状態でした。「どういうものがオシャレだと思いますか?」「どうやったらお客さんの目につくと思いますか?」と人に聞いていましたね。もっと自分の意見をしっかり持った上で「どうですか?」と人に聞いて、他の人の意見も取り入れながら良くしていくという方法を取れば良かったのに、なぜか昨年はもう自分が信じられなくなっていましたね。
Q5:今まででお金、時間、エネルギーなど何でもよいが自分のリソースを投下して最も価値のあったものは何だと思いますか?
学習と本です。特に学ぶ姿勢ですね。本に関しては毎日読むわけではないのですが、学びたいと思った時に片っ端から読むという感じです。僕は勉強が苦手でしたが、学生時代は目立ちたがり屋でした。勉強で1番は取れないから、ビリで1番取ろうみたいな。「よっしゃ、0点だぜ!」みたいな子でした笑。
人と同じことをしたくなかったんです。小さい時から人と群れるのも好きじゃなかったし、人が群れてお笑いをやっているのも嫌いでした。僕は1人で変なことして目立ちたい、みたいな。変なこともしつつ、学習もちゃんとやっていたらすごくかっこよかったのに…と思います。
ソーセージについてはものすごく研究したくなって、何が書いてあるのかはさっぱり分からないのですが、ネットに転がっている大学の論文などを読みましたね。論文の中に肉の状態などの説明が出てくるのですが、ソーセージ製造に関わっているから理解できる部分もあるし、分かるところだけをつまんで、自分の仕事に活かすということをやっていました。バーテンダーになった時もまだ18でしたが、修業時代にひたすらお酒の本を読みまくって知識だけは入れるみたいなことをしていましたね。とりあえず本を読んで、知識を入れないと人に勝てないという気持ちが強いのかもしれません。バーテンダー時代もとりあえず勉強して、知識を入れて誰よりも早くカウンターの中に立ちたいと思っていました。先輩方を押しのけて、俺がカウンターに立ってやる、という気持ちでした。
それからソーセージ製造のために栃木に来たのですが、食肉加工の会社も職人の集まりなんです。僕は畑違いのところから来たので、周囲も何も分からないだろうみたいな感じでした。その差を早くを縮めたくて仕方がなかったです。僕が何もしないで1年いても、職人はその1年間で先に進んでしまうわけです。そうなると結局ずっとこの差が埋まらない。なんとかして差を縮めたいので、とりあえず調べまくる、肉の本を読む、肉の資格を取る、ということをしました。ものすごく勉強してお肉博士1級(お肉検定1級)という資格を取得しました。この資格は全国食肉事業協同組合連合会が認定する牛肉・豚肉・鶏肉から加工品に至るまで食肉の知識(歴史、生産、流通、衛生、栄養、調理)を深める民間資格です。資格を取得すると「お肉博士って名乗っても良いですよ」という称号をいただけます。なんとかして人に追いつきたい、人に負けたくない、という気持ちで今までやってきました。ハングリー精神的は非常に強かったと思います。だから人とバチバチ当たることもあります。その資格を取った時も当時勤めていた会社の上司から「そんなの取っても意味ねえんだよ。現場で力を出さなきゃ意味ねえから。」と言われ悔しくて、めちゃくちゃ泣きました。27歳の時に栃木に来て、なんとか上司に追いつきたいという気持ちがあって知識だけでも…と思って取得しました。意味がないとは言われてしまいましたが、自信はつきました。

Q6:自分の中でくだらないけれどなぜか止められないクセや習慣はありますか?
これ、言って良いんですかね…疲れれば疲れるほど、すぐスケベな事を妄想してしまいます笑。
あと最近はクヨクヨしちゃうことが多いです。女々しいモードに入って、ちょっとしたことで悩んでしまいます。お客さん喜んでいるのかなとか、間違っていなかったかなとか、あの対応で大丈夫だったかなとか、これ本当に美味しいのかなとか。食品を扱う仕事としては当たり前のことですが、特に美味しいかどうかに関してはしょっちゅう悩みます。クヨクヨ悩んで妻にも相談するのですが「男のくせにメソメソするな」と言われます。妻は本当に強い人です。
Q7:ここ数年であなたの人生をよりよくしてくれた新しい考え方や行動はありますか?
自分の意思をもって、それを信じるということですね。自分の中に浮かんできたアイデアや第六感、閃いたものを大切にした方が良いと思います。若い時はそれを無意識でやっていたのでしょうね。大人になるといろいろ心配事や悩みが増えてきます。でもその中で浮かんできたアイデアというのは、今まで生きてきた感性で生まれたものだから、それは絶対大切にした方が良いと思います。僕はアイデアが浮かぶ人で「あれがやりたい。これがやりたい。こうしたら楽しい。これをやったら勝てる」といつも考えていました。むしろそれが自分の武器でした。でもそれが昨年7月からちょっとパワーが無くなってしまって…。そんな時期もありましたが、やはりアイデアはインスピレーションです。僕はこれを絶対に大切にして、それをしっかり信じようと思っています。
今は会社を建て直さないといけないので、それに集中しています。人任せにしていた部分があるので、そこをまずやらないといけないですね。不思議な話ですが、自分の気持ちが前のめりになると商談が入って来るんです。那須塩原地区の大きなお肉屋さんから話が来たり、有名な観光地に商品を置かせてもらえたり、考え方ひとつで良い方向に行くんだなということを実感しています。今、溢れてきているアイデアをお互いwin-winの関係で、利益があって、お客さんも買いやすい価格設定で、見せ方もこうしてみようかな、と前向きに考えるようにしています。今は加工の工程でどうしても出てしまう端材を有効活用するビジネスを開発中です。

Q8:これから新たな挑戦をしようとしている若者へ伝えておきたいアドバイスはありますか?あるいは他者からのアドバイスで無視した方が良いと思うものはありますか?
他者からのアドバイスは10%活かせれば良いという気持ちでいます。自分の持っているアイデアが100だとしたら、そこに他者からのアドバイスを加えて結果的に110になれば良いという感じです。いろいろな方に相談をすることがあるのですが、皆さん真剣に話を聞いてくれて、親身になってアドバイスをくださってありがたいし、リスペクトの気持ちを持っています。でも、どんなに良いアドバイスをもらっても結局そこに「自分」というものがないと最終的に良い方向には転がっていかないと思います。「人の言葉を間に受けない」という言い方は失礼になってしまいますが、相手に対するリスペクトの気持ちを忘れず、いただいたアドバイスの10%くらいを活かせれば…という気持ちで人と話したほうが上手くいく気がします。
Q9:ここ数年で、うまくNOと言えるようになったこと(ビジネスでもプライベートでも)はありますか?断るコツはありますか?NOと言えるようになった結果、新たに気づいたことや役に立ったことはありますか?
ビジネスを始めた時、ある方から「NOと言ってはいけない。いただいた仕事はなんでも受けて、なんでも挑戦しないといけない。」と言われ、そうなんだと思いながらこれまで過ごしてきました。でも、そこを突いてくるズルイ人っているんです。自分にとって良い条件ばかりを押し付けてきて、こちらの利益が取れないまま商品を卸した経験もあります。その時に心に引っかかりを感じました。自分がやりたくないな、と思ったら様子を見たり、検討したり、場合によっては距離を置いたりすることも必要です。そして相手に対して自分の考えをしっかり伝え、NOではなく「こういう条件ならできますがどうでしょうか?」と言ってみる。それで相手がダメだと言うのなら、それはそれで仕方ありません。今、会社は3期目に入りましたが、1期目はいただいた仕事をなんでも受け入れていました。当時はお仕事をいただけることがありがたいと思って取り組んでいましたが、中には全く利益にならない仕事もありました。そうなるとソーセージ製造まで嫌になってしまって。やはり自分の心に引っかかった時はその感覚をちゃんと信じて、なぜ引っかかっているのかを伝えることが大事です。
Q10:行き詰まった時、考えがまとまらなかった時、集中力が途切れた時、どうしていますか?
今、実践していて皆さんにもおすすめしたいのですが、腕立てを10回するとスッキリします。しかも強くなった気もします。たった10回ですが「よし、やったるぜ」という気持ちになります。それ以上やると疲れてしまうので、10回くらいがちょうど良いです。始めたきっかけはChatGPTです。ちょっと恥ずかしいのですが、悩んで、疲れて、どうしようもなかった時になんだかムラムラすると思って。ChatGPTに「すごいムラムラするんだけど、どうすればいい?」と聞きました笑。そしたら解決方法として腕立て10回を勧められました。言われるがままその場で実践したのですが、終わった後の気分が全然違いましたね。ChatGPTすごい良いこと言うな、と思いました。筋トレは苦手ですが10回ならできます。
あとモデルの冨永愛さんがやっている肩甲骨ストレッチもスッキリします。背筋がピーンとなるのでおすすめです。体の後ろで手を組むのですが、その時に手の甲が上を向くようにします。その姿勢で肩回しを10回やります。男性限定らしいですが、肩甲骨を動かすとテストステロンという男性ホルモンが分泌されるそうです。このストレッチをすると気持ちがいいし、やる気スイッチも入ります。
Q11:サルバドールされたアートや芸術はありますか?単純に好きなアートや芸術でも構いません。
黒夢の清春さんが好きです。気合いを入れたい時や気分を高めたい時に曲を聴いたり、大声で歌ったりします。そうすると気分が乗ってくるというか、清春さんが降臨してきます。昨年、宇都宮でライブがあったので、行ってきました。昔よりも歌が上手くなっているし、登場の仕方とか、見せ方とか、パフォーマンスもどんどんかっこよくなっていました。57歳になっても進化を続けてさらにかっこよくなっているし、自分もそうなりたいと思いましたね。僕も清春さんのように人として成長したいし、高みを目指したいです。
Q12:人生のターニングポイントにおいて、あなたに大きな影響を与えた人物は誰ですか?(有名人でも誰でも構いません)または誰にサルバドールされましたか?そして誰をサルバドールしたいですか?
僕に大きな影響を与えた人は妻です。何度も助けてもらっているし「あなたならできる」と励ましてくれます。「あなたなら絶対できる」「ちゃんと自分を信じて」「いつ本気出すんだ」と発破をかけてくれる存在です。でも僕はまだそこにしっかり応えられていないので、まずはしっかり応えていきたいなと思っています。妻とは2018年に結婚しました。妻はとてもしっかりした人で、独立するための資金をずっと貯めていてくれました。足りない分は妻からもちょっと援助してもらい会社を立ち上げました。妻がいなかったら僕は何もできていなかったです。妻には完全に助けられています。
そして、お客様とキッチンカーの先輩方にも助けられています。独立後、右も左も分からない時期にとりあえずイベントに出店していました。そうすると皆さんが優しくいろいろ教えてくれるんです。「もっとこうした方がいい」とか「こんな感じで止めたらテント飛ばされなくなるよ」とか。あと、出店先が見つからない時に斡旋してくれたこともありました。最初の1年目は周囲の方にとても助けられました。僕の事業が今も在るのは、キッチンカーの先輩方やイベントの出演者の方、そして出店した時に駆けつけてくれるお客様のおかげです。お客様からもいろいろとアドバイスをいただくこともあります。この事業を通して出会った人たちには本当にすごい影響を受けました。それと同時に「自分は1人じゃ何もできないんだな」ということを痛感しました。やっぱり「仲間」とか「助け合う心」を持っている方が絶対に良い人生を送れると思います。
サルバドールしたい人は、挑戦したいと思っている人たちですね。僕、生い立ちが良くなくて、これまでそれがコンプレックスでした。僕は父親の顔を知りません。母親は僕が0歳の時に離婚しています。その後、別の男性と再婚し弟が生まれました。しかし、その義理の父親とも離婚してしまいました。母親はさらに違う男性を見つけたのですが、当時小学4年生だった僕と小学2年生だった弟は祖母に預けられました。母親はその男性との間に女の子を授かり、僕には妹ができました。そんな環境で育ったので僕は正直、母親のことがあまり好きではありませんでした。今はそんなわだかまりはありませんが、当時はそれがすごく嫌だったし、なんでこんな人生なんだろう、と思っていました。
一木(ひとき)は弟の父親の苗字です。僕の前の苗字は相沢だそうです。僕がそのことを知ったのは高校生の時でした。自分で携帯を契約する時に戸籍謄本を見て分かりました。母親が一木さんと離婚する時にまた苗字が変わるのは嫌だ、となって、その時に籍は離れてしまうけれど、戸籍上独立して一木という苗字をいただき、小学5年生の時に一木家として生きていくことを決めました。その時から独立心はありましたね。一木という名前を残したい、なんとかして自分のお店をやりたい、という気持ちが強かったです。不良とかそういう方向に行けば良かったのかもしれないけれど、ちょっとベクトルを誤って違う方向に行っちゃって、奇行に走るという方法で注目を浴びたくなる人になってしまいました笑。そんな感じだったので学生時代は散々な目に遭いました。
振り返ると、母親がいろいろな男性のところを転々としていたので、一歩間違えると僕は虐待されていた可能性もあったわけです。実際そういう子もいっぱいいます。僕はたまたま運が良くてこうなりましたが、中には施設に入る子もいます。そういう環境で育った子たちは、勉強したくても就職したくても資金面の問題で夢を掴むことができない状況にあるという記事を見かけました。僕にはまだそういった子たちに寄り添える人間力は無いのですが、いつかちゃんと事業を成功させて人間力も高まった時には、夢はあるけど事情があって挑戦できないという人たちを僕の会社に受け入れることができたらいいな、と考えています。
僕は食品衛生管理者という資格を持っています。食品衛生管理者は食品衛生法に基づき、主に食肉製品や乳製品などを製造する工場に設置が義務づけられている衛生管理を専門的に統括する責任者です。これは食品衛生責任者よりランクが1つ上の資格になります。この資格がないとソーセージ製造ができません。大手のメーカーでは主任クラスの資格と言われています。僕のもとで3年間、経験を積むと受講資格が得られます。さらに勉強して知識を蓄えれば、食品衛生管理者という国家資格に挑戦できる。何かに挑戦したいけれど資金面の問題で難しいという人を応援できたらいいな、と思います。食肉加工という小さなカテゴリにはなってしまいますが、この仕事で自分を表現したいと考えている人がいたら僕は積極的に採用したいです。それで独立してくれて構いません。挑戦する心やその人の気持ちを応援したいです。そのためには会社をしっかり立て直して、自分自身をしっかり高めていかなければ、と思っています。

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